注目技術


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■ 1.背景
 ここ数年、インフラ施設の経年劣化等に伴いさまざまな被害が発生しており、道路トンネルもいくつかの事故が発生(事例1 ~ 2)しています。道路トンネルは、従来3 ~ 5 年に一度、交通規制を実施して、近接目視点検を行ってきました。
 しかし維持管理予算の確保や人材不足などによりすべてのトンネルを点検することはできていません。こうした問題を解決する方法として、合理的で安価な点検方法による健全性評価技術が注目されています。
【事例1】
高速道路における天井版落下事故(2012年12月)
【事例2】
国道におけるコンクリート片落下事故(2013年1月)
高速道路における天井版落下事故 国道におけるコンクリート片落下事故
■ 2.トンネル維持管理における課題と目的
課題と目的
■ 3.走行型計測システムの概要
 走行型計測車両(MIMM)は、1回の走行でトンネル壁面画像(MISシステム:Mobile Imaging Technology System) とレーザ(MMSシステム:Mobile Mapping System)による点群データ(座標値:3D 計測)が同時に行えるものです。
MISシステム

覆工コンクリート表面のひび割れ、漏水、材質不良(豆板)箇所を客観的に把握するため、ビデオカメラにより壁面画像を撮影・計測します。画像計測に欠かせない光源は、LED 照明とし、カメラは38万画素のものを20台設置しています。(0.2mm程度のひび割れを検出する機能を備えています)
MMSシステム

覆工コンクリート表面の凹凸や変形モードを把握するため、3次元レーザ計測により覆工内面の形状を3次元の点座標としてデータ取得を行います。なお、車両の後部に設置したレーザ装置は、100万点/秒の能力を有しています。
■ 4.MIMMによる評価方法
画像とレーザを組み合わせ、3D解析を行うことで評価を行います。
評価方法
■ 5.MIMMによる評価例
 あるトンネルにおいてMIMM計測を行った結果を示します。MISから得られたひび割れの集中している位置に沿って、内面に変状が発生していることがわかることから、現地にて整合性確認を行いました。
 その結果トンネルの斜め方向に段差が発生しており、外力の影響を受けていることを確認しました。
評価例
■ 6.評価による成果及び課題
MISの評価
(1)はく落、漏水、遊離石灰、豆板、目地部劣化・変色箇所は、浮きの可能性が高い。
(2)ひび割れ閉合、交差、密集(亀甲状)箇所は、同様浮きの可能性が高い。
(3)縦断方向のひび割れで延長が長い、または段差がある場合、浮きの可能性が高い。
(4)時速40kmで0.3mm以上のひび割れを検出することができる。
(5)上記の損傷が画像やCAD 上で確認された場合、現地にて近接目視や打音検査による検証が必要である。
MMSの評価
(1)コンタ-図から外力の影響やひび割れの原因を推定することできる。
(2)レーザ解析により、変状の進行性を判断することができる。
(3)時速40kmで0.5mm以上の段差を見つけることができる。
(4)建設時に計測を行っておけば、今後の差を確認することで、より高度な管理を行うことが可能となる。
(5)計測データを保存し、今後の維持管理に使用することが重要である。

※本技術は、産・学・官連携に伴う、共同研究により開発しました。
研究プロジェクトリーダー「京都大学名誉教授、関西大学特任教授 大西有三」
研究メンバー:国土交通省、京都大学、パシフィックコンサルタンツ(株)、計測検査(株)、i システムリサーチ(株)、(株)ウエスコ、三菱電機(株)等