お知らせ

2018.09ご案内

水系一貫運用を実施している水力発電所におけるIoT技術を活用した 発電運用効率化技術の研究開始について

 

 弊社と関西電力株式会社、株式会社気象工学研究所は、IoT技術を活用し、水力発電所におけるダムへの流入量予測精度を上げることで、水力発電所の発電電力量を向上させる発電運用効率化技術の研究を、本日より本格実施いたします。

 本研究は、降雨・降雪が多く、水系全体としての総発電電力量の増量が期待できる黒部川水系をモデル地点とし、IoTやAI等のデジタル化技術※1を活用した水力発電所の運用効率化、発電電力量の増加検討に取り組むものです。

 具体的には、従来の動的計画法に基づく発電運用計画技術※2に加え、これまで活用されていなかった気象観測データを利用した降雨・積雪・融雪量の予測結果を考慮することで、水系に流れ込む水量や時期の予測精度を向上させます。それにより、発電所や発電関連設備を新規設置、増強等することなく、運用方法の改良により発電電力量の向上を目指すものです。

 なお、本研究は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業として、受託事業者の採択を受けております。

 当社は、引き続き、S+3Eの観点を踏まえ、供給力の安定した再生可能エネルギー事業である水力発電事業について、至近のデジタル化技術を最大限活用しながら、電気の低炭素化を加速させてまいります。

※1:過去からダムで観測されているデータやリアルタイムで観測された気象データを基にニューラルネットワークを利用した分析により流入量を予測する技術。また、発電運用計画策定時には、AIによるデータ学習技術も活用します。
※2:過去30ヵ年の流入量データの実績から、水系一貫で最も発生電力量が多くなるような最上流ダム貯水位の運用曲線を設定し、年間の運用目標水位を決定する手法。

【発電運用効率化技術の研究開始の概要】

 IoT技術、ビッグデータ分析等のAI技術により、水系一貫の運用を実施している水力発電所群に対して、「流入量予測技術の高度化」、「水系全体での発電電力量の最大化」を目指します。
 モデル地点としては、関西電力が12箇所の水力発電所を設置している黒部川水系を対象としています。なお、本研究により、年間最大約3,000万kWh(1%増)の発電電力量の増加が見込まれます。


【研究実施機関】

関西電力株式会社、株式会社気象工学研究所、株式会社ニュージェックによる共同実施


【各社の役割】

(関西電力)
 ・フィールド(実機)を活用した試験
 ・発電運用効率化効果の評価、実用性検討
(気象工学研究所)
 ・IoT技術を活用したリアルタイムデータ取得システムの構築
 ・観測データの活用による積雪・融雪モデルの構築
 ・高精度気象予測情報を活用したダム流入量予測シミュレーションの実施
(ニュージェック)
 ・積雪・融雪モデルの導入による既存ダム流入量予測モデルの高度化
 ・予測流入量を活用した発電運用最適化システムの構築


【対象地域】

モデル地点:富山県黒部川水系


【研究実施期間】

2018年7月~2019年3月