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    2023.09.12 受注案件

「マラウイ国及びジンバブエ国における電力セクターに係る情報収集・確認調査」の業務受託について

当社は、独立行政法人国際協力機構(JICA)から、「マラウイ国及びジンバブエ国における電力セクターに係る情報収集・確認調査」業務を受託し、202394日付で契約を締結いたしました。
 

■マラウイについて

マラウイ共和国の電化率は14.9%と低く、2020 年のピーク電力需要は推定719MW に対し、発電設備容量は441MW(2022年)に留まり、国内の電力需要を満たすことができていません。さらに人口増加に伴い電力需要が増加しており、2030 年には1,873MW に達すると見込まれています。また、電源の88%を水力発電が占めますが、近年のサイクロンや水不足の影響で発電所稼働率が低下し、電力不足に拍車をかけています。加えて、送配電設備の老朽化も激しく、施設のトラブルに起因する停電が頻発しています。

マラウイ政府は、エネルギー政策や長期国家開発計画の中で電力の安定供給を重点課題の一つに掲げ、信頼できるエネルギーへのアクセスを増やすことを目標としており、2030 年までに人口の約30%に電力を供給することを目標としています。

本調査はマラウイの電力セクターにおけるニーズを把握し、無償資金協力を念頭に今後形成を進めるプロジェクトを精査することを目的としています。

 

■ジンバブエについて

ジンバブエ共和国の2022 年の総発電量は1,259 MW と、推定2,200 MW の需要に対して電力供給は不足しています。同国の発電設備容量は2,250MWであり、この内47%をカリバ南岸水力発電所が占めています。しかしながら、カリバ南岸水力発電所は、老朽化による改修工事に加え、気候変動による水不足の影響で水源であるカリバ湖の水位が過去最低に近づいたことから、制限付きでの運転を余儀なくされています。また、同国に4つある火力発電所は全て1960 年代以前に建設されたもので、施設の老朽化により運転が制限され、4 施設合計の発電量は350 MW 程度と、設備容量の3 分の1 以下に留まっています。2022年は総発電量の約73%をカリバ南岸水力発電所のみに頼っていた状況で、安定的な電力供給に大きな課題があります。

ジンバブエ政府は、国家開発計画の中で電力の安定供給を重点課題に掲げ、電源開発や再生可能エネルギー割合の拡大を念頭に置いた電源の多様化、電力アクセスの向上に取り組むとしています。

本調査は、ジンバブエの電力供給改善に資する協力方針を整理し、無償資金協力を念頭に今後形成を進める案件を絞り込むことを目的としています。

 

それぞれの国の具体的な支援の候補案件について、マラウイは送配電分野だけでなくWovwe水力発電所の改修および増設、ジンバブエでは北マタベレランド州における小水力発電所建設の事業案が含まれています。弊社が掲げるSDGsへの取り組みの一環として、クリーンなエネルギーを活用した脱炭素社会の実現および電力アクセス改善を通じた地球規模での貢献に取り組むべく、弊社の持つ知見と技術力を活かし、マラウイとジンバブエの電力システムにかかる課題解決に貢献してまいります。

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