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2026.03.17
ニュース
建築グループで設計、工事監理を行った『蒲原小中一貫校』が竣工しました
❖建物概要
敷地面積:39,188.03㎡
建築面積:3,223.51㎡
延床面積:7,583.32㎡
構造 :RC造・S造
階数 :地上3階
高さ :最高高さ 15.95m
❖設計趣旨
静岡市清水区蒲原。旧東海道十五番目の宿場町として栄え、雄大な富士山を間近に望む豊かな景観に恵まれた地域である。
本計画では、蒲原西小学校・蒲原東小学校・蒲原中学校の三校を統合し、9年間の学びを一体的に支える小中一貫校として整備を進めた。
整備にあたっては、既存の蒲原中学校敷地を最大限活用し、仮設校舎の利用を極力抑えながら新校舎を建設する方針のもと検討を行った。敷地内には校舎へとつながる「大志の道」と呼ばれるアプローチがあり、豊かな植栽が来校者を迎えていた。この価値ある環境を守るため、基本計画で想定されていた撤去方針を見直し、植栽を継承した配置計画へと再計画した。
校舎南面は列柱と庇によってボリュームをリズミカルに分節し、大庇には日射遮蔽と外壁劣化の抑制を図りながら、富士山の雄大さに呼応する穏やかなR形状を採用した。さらに、宿場町建築の意匠を再解釈したルーバーを設けることで蒲原らしさを表現し、特別教室の視線制御にも寄与している。また、旧東海道十五番目の宿場町であった歴史を象徴し、15本目のルーバーには伝統色の「灰桜色」を施した。北面には富士山を一望できるデッキテラスを設け、この地に根ざした景観を日常の学びへと取り込んでいる。
内部空間では、木材をメリハリよく用い、RCとの調和を図ることで、温かみと安心感を備えた木質空間を創出した。フローリングやウッドデッキには富士山へと伸びる軸線をさりげなく取り込み、屋内にいながら富士山を感じられる空間としている。昇降口の先には、この建築の象徴となる吹き抜け空間が広がり、屋外の大志の道との連続性にも考慮した。また、大階段を設けることで児童生徒が自然に集い、交流を深める場を形成した。天井のルーバーは外観同様、15本目に灰桜色を施している。
建物中央には、小学生と中学生が共に学び合う小中交流スペースと学校図書館を配置し、ハイサイドライトから降り注ぐ柔らかな光に包まれた憩いと学びの環境を整えた。さらに校舎各所には、児童・生徒・教職員が交わり合うための小規模な交流スペースを設け、学校生活に豊かな広がりをもたらしている。1階の地域交流室の南面には開放的なガラス面を設け、地域にひらかれた学校施設を目指した。
本校は、災害時には地域の避難拠点として機能するよう計画され、安全性と防災性を備えた地域連携型の施設となっている。
環境性能面では、静岡市の学校施設として初めて ZEB Ready を達成した。高断熱外皮の採用、LED照明とセンサーによる制御、高効率空調設備などにより、エネルギー消費を大幅に削減しながら、快適で安定した温熱環境を実現している。






