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Shota Inoue
井上 翔大

井上 翔大

  • 河川部門
    ダムグループ
    耐震チーム
  • 2016年入社
    工学部 土木工学科

100点以外は許されない仕事。
どんな災害にも耐えるダムを
後世まで。

公務員の技術職を目指して、大学進学は土木系の学部へ。しかし、大学で地震防災について研究を進めるうちに、より高度な専門性を身に付けられるフィールドで活躍したいと考えるようになり、民間企業への就職を決意。教授の勧めでニュージェックを受験。防災に関する仕事ができるうえに、会社の規模、待遇などすべてが魅力的だった。

EPISODE 1 現在までのキャリア

大学時代の学びを活かして、
1年目から耐震解析の
プロの道へ。

私は入社後、水工グループ(現ダムグループ。組織改編時に名称変更)へ配属され、最初の3年間は設計チーム、4年目以降は耐震チームに所属しています。
設計チームでは、まずは先輩の指導の下に、設計の一部を手伝ったり、現地調査で写真を撮影し、資料を作成したりしながら業務を覚えていき、規模の小さい設計業務も経験。その一方で、ダムの安定性や、地震の際に決壊しないか確かめる必要があるときは、1年目から今の上司と私の2名で、耐震解析を任されました。私が大学時代から地震防災に関心を持っていたことを知る上司の、思い切った人選だったと思います。
はじめは設計業務の合間に耐震解析を行っていましたが、徐々に案件が増えてきたため、2019年に耐震チームが発足。現在はもう1名加わり、合計3名でダムの耐震性能照査を始め、解析業務に従事しています。
ここ数年は豪雨災害に備えるために、既設ダムの堤体改造検討業務も増えてきました。そうした際も、例えば、放流能力を高めるために堤体を削孔する計画であれば、どの位置にどれくらいの大きさであれば、穴を空けても堤体の安定性に支障がないのかを確認するために、応力解析を行うこともあります。
また、直近では、40年以上前に、土や岩石を盛り立てて建てられたロックフィルダムの耐震性能照査も行いました。建設当時のデータも残っていない中、堤体の物性値をどう設定すれば良いか迷いました。こうした状況の中でも、自分なりに工夫し、誰もが納得のいく資料にまとめ上げる。それがきちんとお客さまにも理解していただけたときは、達成感があります。

井上 翔大

EPISODE 2 仕事の面白さや難しさ

数値1つ入力するときも、
「怖い」という気持ちを
忘れない。

私たちの解析結果をもとにダムの計画が立てられ、工事が進み、完成したダムは何十年にもわたって、その地域の方々の暮らしを支えていきます。もし、私の解析データに1つでも誤りがあったら、どれだけの方に影響を及ぼすか。それを考えると、数値1つ入力するのも怖いです。でも、この気持ちはずっと持ち続けなければいけないと思っています。
私は以前に一度だけ、大きな被害につながりかねないミスをしたことがあります。それは、入社3年目に担当した、あるダムの放流バルブに対する耐震性能照査。放流バルブとは、ダムから水を勢いよく吐き出す放流設備のこと。このバルブが地震時に壊れたり変形しないか、地震で揺れた水の衝撃に耐えられるかなどを確認するという案件でした。その際、バルブに作用する水圧を誤って過小に設定し計算してしまったのです。数値結果が良く似ていたために気付かず、「今の設計で耐震性能を満たしている」とお客さまに報告。その後すぐに上司が誤りに気付き、再度計算し直すと、耐震性能を満たしておらず、「補強が必要である」と報告書を書き直して再提出しました。上司やお客さまから注意を受け、猛省。原因は私の単純なケアレスミス。3年目で業務にも慣れ、気の緩みがあったんだと思います。もしこのまま工事が進んでいたらと想像すると、背筋の凍る思いがしました。それ以降はチェック方法を改めたほか、後輩にも「怖さ」を持つように指導しています。

現地調査(岩手県)
現地調査(岩手県)

EPISODE 3 社会への貢献やビジョン

100点満点のものづくりで、
当たり前の毎日を支え続ける。

地震の多い日本において、構造物の耐震に関する技術は、これからますます求められるところです。ニュージェックでは2020年、基盤技術グループ耐震・解析チームという新しい部署が立ち上がり、都市・上下水道グループ、道路グループ、ダムグループの耐震・解析に携わるメンバーが部門を越えて集結。お互いの知見を高め合い、別の分野に応用することで、より高度な解析の実現を目指しています。私も現在は、この耐震・解析チームを兼務。別グループの知見をダムに活かせないかと、日々勉強に励んでいます。上司や先輩の仕事っぷりを見ていると、自分はまだまだ足元にも及びません。常に技術を磨き続けて、少しでも早くその背中に追いつき、よりレベルの高い仕事をすることが私の目標です。
私たちが携わるインフラは、当たり前の毎日を支えるもの。たくさんの人がその品質を当然のように信頼して、長年にわたって利用します。責任の大きさを思えば、私たちの仕事は常に100点でなければなりません。どんな災害にも耐えるダムを追求し続け、人々が安心して暮らす毎日を、何十年にわたって支える。それが耐震設計に携わる私の使命だと思います。

井上 翔大

私の大事にする
行動指針

風通しを良くする

気付けば私も中堅と呼ばれる立場。業務が円滑に進むように、例えば、上司の発言が難しいと感じたら、意図を汲み取って若手社員にかみ砕いて説明したり、若手社員が悩んでいることがあれば相談に乗り、場合によっては私から上司に進言したり。意識して、後輩と上司の間に入るようにしています。

PRIVATE

若手社員でのスノボ旅行
若手社員でのスノボ旅行。コロナが落ち着いたらまたどこかへ行きたいです。
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