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Yoshito Takaoka
高岡 慶人

高岡 慶人

  • 交通・都市部門
    港湾・海岸グループ
    港湾・空港チーム
  • 2018年入社
    工学研究科
    社会基盤環境工学専攻

粘り強さとひらめきで、
災害時も機能する港を
つくれ。

大学院では、地盤の特性や改良工法などについて研究。学会でニュージェックの社員と出会い、技術力の高さと、フランクな人柄に惹かれて入社を決意。出身地である関西に本社があることも決め手となった。

EPISODE 1 現在までのキャリア

耐震性能や地盤条件を解析し、
地震に強い港湾施設を
設計する。

港湾・海岸グループは、国交省や港湾管理者となる自治体などから依頼を受け、港湾施設全般の計画・調査・設計などを担当しています。港湾施設というのは、常に波浪などの影響を受けているため、計画・設計するうえでは、こうした自然条件を考慮するとともに、地震や津波などの自然災害にも十分備える必要があります。そのため港湾・海岸グループでは、波浪対策、維持管理など、分野ごとにチームを分けて業務を分担。私は入社以来、耐震を専門とするチームに所属しています。
仕事の内容は、「係留施設」といって、船舶を停泊させて、貨物の積み下ろし作業や、乗客を昇降させるための施設の、設計や耐震性能照査を主に担当しています。
例えば、入社1年目は、設計条件の設定を主に担当。例えば、地盤条件の設定・液状化の有無の判定・照査用震度(地震動による外力を算出するためのもの)の算定などです。構造物は地盤の上につくられるため、地盤条件の設定が重要となってくるため、まずは地盤条件の設定を学びます。
また、2年目からは、既存の係留施設の耐震性能照査を主に担当。九州全域にある主要な20施設に対して、地震応答解析プログラムを用いてシミュレーションを行い、どの程度の地震で、どの程度の損傷が生じるかを解析しています。
2年目までは上司に指示された作業に淡々と取り組んでいましたが、3年目以降は自分でも方針を立てるように。耐震強化岸壁(重力式)や桟橋といった係留施設の基本設計をある程度任されるようになりました。

高岡 慶人

EPISODE 2 仕事の面白さや難しさ

発想の転換で、災害時でも
港を稼働させる方法を
導き出す。

震災などの災害時、港湾施設は緊急物資や支援部隊の輸送拠点として重要な役割を担います。そのため、各港湾では、「どれくらいの地震で施設が使用できなくなるのか」「どの程度の変形までなら使用できるのか」といった災害時用のガイドラインを作成しています。入社2年目から担当している九州での既存施設の耐震性能照査は、その重要な判断基準をつくる仕事です。
その重要性から、この案件では学識経験者の方などで構成された委員会が開催され、客観的に審議を行います。私が最初に提出した案は、「100%安全とは言い切れない」と鋭い指摘を受けてしまいました。
そのまま直すことは簡単です。でも、あまり余裕を持った基準値にすると、いざ災害が起こったとき、使用できるかもしれない港湾施設も止まってしまい、被災した人のもとへ救援物資が届かなくなります。どのように基準値を設定するか、まさにコンサルタントの力量が問われるところ。
被災時の状況を想像するために現地調査に行ったり、上司や先輩からアドバイスを受けたりしながら考えを巡らせ、2つの解決策を思いつきました。1つ目は、解析モデルを一般的なモデルから実状に即したモデルに改良すること。このモデル化により2、3の施設で基準値を緩和できることが分かりました。2つ目は現場で判定を行う際の工夫。これまでは岸壁全延長のうち1箇所でも、設定した基準値を超えていれば使用不可としていました。しかし、岸壁は1つ数十メートルのブロックが連なった構造であり、地震時にはブロックごとで変形量が違うと想定されることから、ブロックごとに判定を行うことを提案しました。そうすることで、例えば全長200mが使えなくても半分の100mは使えるなどの判断が可能となります。このような検討を3ヶ月かけてやり直し、2回目の委員会では、無事に提案内容を認めていただくことができました。あきらめずにやり切った達成感と、何よりも緊急物資輸送経路の維持に貢献できたことがうれしかったです。

高岡 慶人

EPISODE 3 社会への貢献やビジョン

地球環境に配慮しながら、
島国日本の物流、経済活動、
防災を支える。

四方を海で囲まれた日本において、港湾施設は多くの資源やエネルギー、食料などを輸入する物資の玄関口として、生活や経済活動を支えています。一方で、港湾施設を整備することによって、生態系や水質などの自然環境に影響を及ぼすことが危ぶまれています。これからの港湾施設には、社会のニーズに応えながら、自然環境にも配慮した設計がますます求められると思っています。
今はまだ、そうした高度な設計ができる先輩方の下で業務に取り組んでいますが、将来は、自分が先頭に立てるようになりたいです。そうした想いから、3年目の終わりに「管理技術者」の資格(技術士)に挑戦。会社のサポート(社外講師による試験対策講義など)や所属グループのサポート(専門問題対策、経験論文の査読)、熟練技術者による面接練習のおかげで、合格することができました。管理技術者の資格があれば、プロジェクトのリーダーとして、各案件に携わることができるので、今後が楽しみです。
また、これまでは設計業務の中でも基本設計を担当してきましたが、今後は、より深い知識が求められる詳細設計や実施設計にも挑戦していきたいです。

高岡 慶人

私の大事にする
行動指針

自己研鑽

働き方改革を進めるうえで、業務の効率化が大きなテーマになっています。こうした取り組みでは、画期的な一手よりも、ミスを減らして手戻りを防いだり、何度も行う作業をマクロなどで簡略化するなど、日々の小さな努力の積み重ねが大切だと考えています。

PRIVATE

会社の野球部
会社の野球部に所属。グラウンドでは社員同士の距離がぐんと縮まります。
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