今田 暁
- 基盤技術部門
電気通信グループ
電気通信チーム - 2016年入社
高等専門学校
情報通信工学コース
放流量を制御し、警報を鳴らす。
ダムの頭脳をつくりだす。
情報通信技術のエキスパートを目指して高等専門学校で学ぶ。卒業生の多くがメーカーなどものづくり現場を選ぶ中で、その前段階にある“設計”という仕事に興味を持つ。学校の先生からの紹介でニュージェックの事業内容に魅力を抱き、入社を決めた。
EPISODE 1 現在までのキャリア
ダム管理用制御設備の設計や、
長寿命化計画を担当。
電気通信グループのメインとなる仕事は大きく2つ。ひとつは「電気設備」で、道路や河川、ダム、港湾などに必要な受変電設備や予備発電設備、トンネル・交差点照明などの設計を担当します。もうひとつが「通信設備」。これはダムの管理用制御処理設備や水門の遠隔操作設備、監視カメラ設備、市町村防災行政無線などを設計します。
私自身は、主にダム周りの通信設備設計をこれまで担当してきました。たとえば“ダムコン”と呼ばれる「ダム管理用制御処理設備」。これは、流入量・放流量演算、観測情報の監視・演算などを行うダムの頭脳ともいえるシステムで、ゲートやバルブなど放流設備の操作・管理をサポートします。また「テレメータ放流警報設備」といって、雨量や河川の水位情報を収集し、ダム放流時にダムや河川流域の地域住民へ、警戒避難情報を伝える無線システムの設計も行なっています。それから「市町村防災行政無線」。みなさんも町に設置された拡声器から、「夕焼け小焼け」などチャイムが流れるのを聞いたことありませんか?あの拡声器から、いざという時に緊急放送が流れるようになっているんですよ。
さて、ダムに関わる大きな仕事がもうひとつ。「ダム長寿命化計画策定」です。ダムの電気通信設備を長く適切に管理していくには、どの設備をいつ交換すればいいのか。そのためにどう予算を組めばいいのか。30年50年といった長期的な目線でダムの維持管理を計画します。これも電気通信設備の知識を活かした大切な仕事なんですよ。
EPISODE 2 仕事の面白さや難しさ
ダムも人と同じで、
それぞれの個性に合わせた
問題がある。
ダムの電気通信設備の設計や更新は、基本的に国が定めた設計基準にそって行なっていきますが、どれも同じように対処すればいいわけではありません。たとえば、ゲート操作回数が多いダムもあれば、夜間の映像確認がなかなか難しいダムもある。ダムも人のようにそれぞれに個性があるんですね。そのダム固有の問題に向き合い、設備メーカーや発注者と対話を重ねながら最適な解決策を見つけて提案。発注者の理解を得られた時、すごく達成感を感じます。ひとつひとつ対応の仕方が違うから難しいけど面白いし、成長できるのだと思います。
達成感といえば、入社してすぐのこと。ある県に、消防ヘリコプターからの情報を地上に伝える通信設備を提案した時のことでした。けっこう大事な提案で、衛星を経由した新たな方法を使うために、私はその技術を調べて概略設計や予算の資料を作成。提案前の打ち合わせで、上司から「この資料の説明は今田に頼むよ」と言われました。ただ私は、「まだ新人だし、冗談でしょ」と信じていませんでした。ところが実際に提案の時に「では、今田から」と。まさか本当に振るとは。「なんてことするんだ!」と頭が真っ白になり、何をしゃべったのか全く覚えておらず。後で上司に聞くと「思った以上に話せていたよ」と言われて、ホッとしたと同時に、新人でもやれるんだという自信を持つことができました。でも、あの時以上に緊張したことは、いまだにないかも。
EPISODE 3 社会への貢献やビジョン
市町村防災行政無線など、
自然の脅威に備えるために。
自然は素晴らしいものですが、地震や台風など自然の持つ恐ろしさに人は無力に等しく、備える必要があると思います。私が今まで設計してきた設備は、このような脅威に備えるための設備が多く、暮らしの中で市町村防災行政無線の放送が聞こえた時や、インターネットで公開されている監視カメラの映像を見た時など、「自分が設計してきた設備も、きっとどこかで誰かの役に立っているんだなあ」と感じたりします。
昨今、異常気象の影響もあり、私たちが関わる設備の重要性はますます高まっています。しかし、いざ緊急時に実際に放送がきちんと聞こえ、映像を確認できなければまったく意味がありません。だからこそ、「実際に大雨や台風の時にちゃんと役割を果たすことができるか」ということを常に念頭におきながら設計するよう心がけています。
私の大事にする
行動指針
変化を楽しむ
電気通信設備設計の領域でも、新技術の登場や基準変更など、さまざまな変化が起こっています。変化に対応するために今までのやり方を変えるのは簡単ではありませんが、その変化を楽しめるように日々取り組んでいきたいと思います。