中垣 文那
- 都市・交通部門
道路グループ
橋梁チーム - 2019年入社
工学部 工学科
何もなかった草むらに、
5年先、私の設計した橋が
架かる。
旅行先で珍しい橋を見るとテンションが上がったり、むしろ橋を目的に旅行するほどの橋マニア。いつか自分も橋を設計してみたいと考え、橋梁設計を体験できるインターンシップを探していたところニュージェックに出会う。橋梁メーカーも含めて、複数の企業を検討したが、新設設計や維持管理など、幅広い業務を経験できることを理由に、ニュージェックを選んだ。
EPISODE 1 現在までのキャリア
交通量、景観、地盤など、
さまざまな条件から
最適な橋梁を設計する。
私は入社からずっと、東京本社の道路グループ橋梁チームに所属しています。これまで、関東・東北エリアを中心に、新設する橋梁の設計や、既設橋梁に対して点検業務、補修・補強設計などに携わってきました。
一口に橋梁と言っても種類はさまざま。橋脚と橋脚の間に桁を架けるだけの「桁橋」から、長いスパンを取ることができる「吊り橋」、弓なりの部材を用いて安定性を高める「アーチ橋」、骨組みを三角形に組み安定性と耐久性を兼ね備える「トラス橋」など構造の違いもあれば、コンクリートや鋼材、木材といった材料による違いもあります。
設計の際は、まず現地調査や地質調査などにより情報を集めて、川幅や地盤、気象、交通量、景観、コストなどさまざまな条件から、最適な橋種を選定。その後、施工用の詳細な図面作成や数量計算を行い、成果品としてお客さまである自治体や道路会社へ納品します。工事そのものは、施工会社が行いますが、その間も、設計に関する問合せに対応するなど、橋の完成までを支援します。1年目は先輩について少しずつ設計業務を覚えていき、2年目からは、主担当を任されるようになりました。
また、橋梁の案件は多くの場合、道路チームや河川グループなどと部署の垣根を越えて連携し合うことも特徴です。
EPISODE 2 仕事の面白さや難しさ
プレゼンの難しさも味わった
初設計の橋、開通予定の
2025年が待ち遠しい。
既設橋梁の点検や補修に関する業務では、実際に現地へ行き、橋梁点検車に乗って橋の裏側まで調査します。橋マニアの私としては、「この仕事を選んで良かった」と思える瞬間です。でも、長い目で見ると、やはり新設橋梁の設計が一番のやりがいですね。
私が初めて新設橋梁の設計を担当したのは、入社2年目。茨城県で新たにバイパスをつくる計画があり、その一部として橋梁の設計を任されました。現地調査に行ってもまだ道はなく、一面草むらだらけ。どこに橋梁が架かるかさえわからない状態でした。でも、どういう道路ができて、どれくらいの交通量があるのか、未来の景色を想像しながら、そこにふさわしい橋梁をイメージするだけでわくわくしました。
設計については、これまで先輩のサポートを通じて得た知識をもとに、上司にも支えられながら何とかできたものの、難しかったのはお客さまへのプレゼンテーション。専門用語をかみ砕いて、わかりやすく説明したつもりでも、なかなか思うように伝わらない。でも、上司の説明には、お客さまもうんうんと納得するんです。その違いが悔しくて、毎回、資料の書き方や説明の仕方を工夫しました。私が伝えいたいことではなく、お客さまが知りたいことという視点で資料をまとめたり、過去の類似案件を例に挙げてイメージがつくように説明したり。その結果だんだんうまく伝えられるようになり、少しは成長できたと思います。
この橋梁は既に工事が始まり、開通予定は2025年。今から楽しみで仕方ありません。
EPISODE 3 社会への貢献やビジョン
「橋梁なら中垣」と
言ってもらえるくらいの、
スペシャリストになる。
初めての橋梁設計の他にもう一つ、私には忘れられない経験があります。それは入社1年目に担当した、災害査定業務。この年の10月に発生した台風19号によって、関東や東北地方では、甚大な被害を受けました。その被害状況を調査して報告することが、この時の業務の目的でした。道路が陥没して自動車が通れない現場。川に飲み込まれるように折れた橋梁や、崩壊した護岸などを目の当たりにして、怖くなりました。
ニュージェックのキャッチコピーである「自然と人を技術で結ぶ」という言葉の通り、自然と人はつながっていて、自然災害によって建造物が壊れると、人の生活に被害が及ぶ。自然と人の間を担う私たちの責任は重大です。この経験があるからこそ、設計の際はいつも「部材の寸法を大きくしないと落橋の危険性があるのでは?」「より安全性を高めるために、地盤の追加調査を実施しよう」という風に、誰よりも慎重に判断するよう心がけています。
今後もずっと橋梁に関わり続けていきたい。日々知識を磨いて、プラスαの提案ができる技術者になることが当面の目標です。例えば、橋種を選定する案件であっても、施工方法まで提案したり、施工や点検作業時のことまで想像してリスクを指摘したり。「橋梁のことなら、中垣に任せておけば安心だ」と思ってもらえるくらいのスペシャリストになりたいです。
私の大事にする
行動指針
自己研鑽
主担当を任されるようになった今、橋梁の専門家からそれほど詳しくない方まで、すべての人に納得してもらえるような資料作りや説明をできるようになることが、現在の目標。そのために、日々知識やプレゼン力を磨いています。