
吉田 大翔
- 交通・都市部門
都市・上下水道グループ
上下水道チーム - 2021年入社
工学部
都市学科
地図に残らない仕事で、
当たり前の生活を支える。
大学では、暑熱環境と流動人口データを用いた暑熱対策実施場所の選定手法などについて研究する傍らで、バンド活動とマッサージ店でのアルバイトに打ち込む。3年生の夏、「地図に残る仕事がしたい」とニュージェックのインターンシップに参加し、そこで上下水道の仕事に出会う。地図に残らないが、その分生活に密着した「水」に携わる仕事に魅力を感じ、ニュージェックへ入社した。
EPISODE 1 現在までのキャリア
地下に
張り巡らされた下水道を、
アップデートし続ける。
蛇口をひねると水が出て、流した水は適切に処理されて川や海に戻る。こうした当たり前の水の循環を支えているのが、都市・上下水道グループの仕事。その中でも私は下水道の計画・設計を担当しています。
下水道が整備されていない市町村で、管渠の設計をすることもありますが、今、多いのは管渠のストックマネジメント。すでに整備された下水道管渠の維持管理に関する計画です。
日本中の下水道管渠を繋ぎあわせると約49万km、地球2周以上に及びます。その多くは高度経済成長期に建設されたもので、コンクリート寿命の50年以上が経過し、一斉に改築の時期を迎えています。大量のストックを限られた予算の中で効率的に維持管理していくためには、施設情報の整理やリスク評価に基づいた改築シナリオの作成、点検・調査及び修繕・改築計画の策定が必要になります。
また、下水道管渠が老朽化すると、破損した箇所から土砂が入り込み、地面が崩れてしまいます。実は、下水道管渠に起因する道路陥没事故が年間約3,000件発生していて社会問題になっているんです。下水道機能を維持するだけでなく、こうした事故を未然に防ぐ上でも、ストックマネジメントは重要だと考えます。
需要が多いこともあって、1年目から様々な市町村での管渠ストックマネジメントに携わりました。
また、2年目からは後輩が入り、コンビで担当することも増えました。現在4年目になり、新たにもう一人の新入社員が入ってきています。後輩に教えるためには自分が詳しくないといけない、そのうえで後輩たちに負けていられないと感じ、より多くの知識を身に付けるよう努力しています。結果として、私自身も成長させてもらっています。

EPISODE 2 仕事の面白さや難しさ
自分たちの仕事の先には、
たくさんの人の生活がある。
汚水や雨水の通路である下水道は、都市の生活を支える重要インフラです。日常生活で排出される生活排水の処理にとどまらず、大雨時の浸水防止や都市の環境保全においても重要な役割を果たしています。それを陰ながら支えるところに、この仕事のやりがいを感じています。
例えば、ある都市では、近年の気候変動の影響により、雨量が下水道の排水能力を超え、浸水被害が頻発しています。そこで私たちは「雨水総合管理計画」を行い、過去の被害履歴や将来的な被害予測、被害の規模といった視点から浸水リスクを評価しています。特に整備優先度の高い地域を中心に、効果的な浸水対策を講じられるよう検討を進めています。度重なる浸水被害で不安を抱える住民の方々に安心を届けるため、このような重要な計画に携わることは大変やりがいがあります。
また、別の都市では、「総合地震対策計画」にも関わっています。地震によって下水道が損壊し、機能不全に陥った場合、衛生的な二次災害や道路陥没などの事故が発生するリスクがあります。そのため、この計画でもリスク評価を行い、優先度の高い箇所から順次、下水道の耐震化を進める計画を立てています。有事の際の防災・減災に直結する、非常に重要な計画です。
これらの成果は、目に見えにくい部分もありますが、その先に多くの人々の生活を守ることにつながっていると思うと、やりがいを感じます。

EPISODE 3 社会への貢献やビジョン
人材を育てる研修施設の設計、
新しい挑戦を続けたい。
現在、私は主に下水道の計画・設計に携わっていますが、自分自身の社会的役割は、安心・安全を前提とした快適さを未来に向けて生み出すことだと考えています。そのため、下水道の計画・設計という枠にとらわれず、社会のニーズに応じた新しいことにチャレンジしていきたいと思っています。
現在、上下水道局の職員向けの研修施設の設計を担当しているのですが、ふだんの下水道管渠の設計とは異なる分野で新鮮味を感じています。研修内容を理解し、必要な設備として、例えば下水道管の展示場、豪雨体験ができる施設や施工不良を再現した施設を設計しています。さらに、MR(複合現実)技術を用いた現場再現モデルも作成しました。
この設計を通じて、新しい技術や知識に触れることが刺激になりましたし、これまで『ヒト・モノ・カネ』の「モノ」「カネ」に焦点を当てることが多かった中で、今回は「ヒト」へのアプローチを中心に据えたことで、視野が大きく広がったと感じています。
この経験を通じて、自分自身の可能性を狭めることなく、常に新しい技術を磨き続けたいと感じています。そして、これからも多くの人々の当たり前の生活を支えるという責任を胸に、より広い視野で社会に貢献していきたいと思っています。

私の大事にする
行動指針
変化を楽しむ
建設業界は、技術や知見の進歩が進むにつれて、また地球環境の変化に対応するために求められることが目まぐるしく変わっていく業界。こうした変化を柔軟に受け入れ、楽しみながら成長していきたいです。
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